春夏秋冬の四季に恵まれ季節を大切にする茶の湯では、その時々に茶事を催して楽しみます。
七月八月は、外に出るのもうっとうしい季節ですが、そんな時季には日の高くならない朝六時ごろから始まる朝茶を催します。
夏ならではの楽しみの一つで、露地に十分な水を打ち簾をかけて戸障子を取り除け、客に少しでも涼気を味わって頂こうと心つかいをします。
私が朝茶の好きな理由に、茶事の楽しさはもとより朝の暗いうちから準備をして出かけ、茶事を終えて帰路についた時の充実感はなんともいえません。
その日一日がとても徳をしたように感じます。

茶の湯の正式なもてなしを「茶事」といい、その中でも「炉 正午の茶事」がいろいろとある茶事の基本となっています。
夏の朝茶も同じようにすすめていきますが、後炭(ごずみ)が省略されます。
涼しいうちに茶事を終えるための心つかいです。それと初炭で風炉に炭をついだあと釜に水を水次やかんで足します。
客が冷たい水の音を聞くことで涼気を感ずることでしょう。

初炭(しょずみ) 濃茶を点てる湯がよく沸くように茶事の初めに行なう炭の点前。
後炭(ごずみ)  濃茶が済むころには釜の煮え湯も落ちてくるので、もう一度炭をつぎなおす点前。